6月に入り、梅雨の季節になった。家の近くの田では田植えが始まって、カエルの声が聞こえてくる。しかし一昔前ではカエルの大合唱が聞こえてきていたものだが、最近では田植えをする田んぼの数も減ってカエルの大合唱も聞こえなくなった。

昨日、家の庭に飛べないアゲハ蝶がいた。近寄っても飛べないので逃げれない。羽根がピンと伸びていなくて、発育不全なのか奇形なのか、それとも何かの事故なのか原因はわからない。ただじっとしているだけである。蝶が普通に飛んでいることが、当たり前のようで当たり前でないのだ。

私がまだかわいかった御幼少のころは、自然がまだ豊かだった。春には家の周りに蝶がたくさん飛び交い、梅雨のこの時期はカタツムリが庭の葉に這い、夏には蛍がいた。物のない時代で生活も決して快適とは言えなかったが、生活に潤いを与えてくれる豊かな自然はあった。