私が遥か昔のまだ小学生の頃、学校で人間はほかの動物より知能が優れていて、万物の霊長であると教えられた。また、人の命は地球より重いとも教えられた。言葉を使えるのは人間だけだし、火を使えるのも人間だけ、だから人はほかの動物より偉いと教えられた。当時、純粋無垢で、まだ可愛かった私は、全く疑うこともせず、その通りだと思い、人間であることに誇りさえ感じていた。

あれから半世紀が過ぎ去った。気がつけば「少年老い易く学成り難し」という年になった。今思うのは、教えられたことは間違っていたのではないかということ。言葉は使うが、嘘をいったり、騙したり、非難はするし、悪口もいう。火を使うが、放火したり、焼き殺したりもする。人間の文明や科学の発達が、地球の温暖化をもたらしたり、自然を破壊し絶滅危惧種の動物も多くだしている。この世に悪魔がいるとしたら、地球にとって人間はこの世の悪魔ではないのかと思うようになった。