10月25日、文化財センター講座「古代山陽道と駅家を探る」講演会を聴講した。講師は岡山県教育庁文化財課の大橋雅也先生。

古代日本の律令国家は、都からの道路を整備して、国家体制を強化していった。井原市には、古代山陽道が東西に通り、後月駅が存在したと考えられている。考古学資料を基礎にして、備前国・備中国の駅家を復元し、律令国家におけるその歴史的意義を考えていくと、古代山陽道の成立の背景には混迷する東アジアの情勢が大きく影響している。663年、日本・百済の連合軍が白村江の戦いで唐と新羅に敗れ、国土防衛の体制を固めた。九州に防人などを置き、都からの道路の整備もその一環であった。また瀬戸内海の守りの要として讃岐国に屋嶋城を築き、岡山県総社市には防衛施設、鬼ノ城がある。