昨年の年末に鬼塚英昭著『日本の本当の黒幕』を読んだ。上下巻があり、上巻は面白かったが、さすがに下巻となると少し口説かったので斜め読みのようになった。
今年は明治元年から数えて150年になるらしいが、その歴史の隠された闇が段々と明らかになりつつある。例えば、坂本竜馬といえば幕末に活躍したヒーローとして誰でも知っている名前である。しかし土佐藩を脱藩した者(今で言う無職)が、全国を動き回るお金や宿泊費、海援隊(60~70名)を束ねる活動費用など誰が出したのかとか。脱藩すれば追跡されて殺されても文句はいえないのだが。
又、 明治維新は孝明天皇の不可解な死が関係しているが、岩倉具視(伊藤博文などと通じていて)の暗殺だったという説が時を経て真実味を帯びてきている。孝明天皇の亡き後、即位した明治天皇も孝明天皇の子ではないらしいのだ。岩倉も伊藤も、どちらもお札の肖像になった。しかし明治以降の歴史は官軍側に立った歴史を正しい歴史認識として教えられてきたから、この人たちもヒーローなのだ。
『勝てば官軍負ければ賊軍』という諺がある。どういう意味か。武士として目を覆いたくなるような卑怯な方法や狡い方法で勝っても、勝てば官軍であり、卑怯なことはせず正々堂々と戦ってもだまし討ちにあったりして負ければ、賊軍となってしまう。薩長を中心とした官軍は正にそれだった。明治時代の政治は薩長の独裁政権だったが、その政治体制(本当のことを言わない、自分に都合の悪いことは隠す、何事にも責任は取らない)は脈々と現在の政権にも受け継がれている。
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