今、全国各地の高校野球で甲子園に出場する代表校が次々と決まっている。岡山県では創志学園が決勝で玉野光南を破り代表になったが、この試合の大詰めで今まで見たことのないような前代未聞の出来事が起きた。

試合は1対0で玉野光南がリードして最終回を迎えた。9回表の創志学園の攻撃で1死1塁、次の打者がピッチャーゴロを打ってダブルプレーとなり試合終了となった。1対0で玉野光南の勝利である。光南ナインは抱き合って喜びを爆発させ試合終了の挨拶のため整列した。ところが、創志学園から「さっきのピッチャーゴロは自打球でファオルではないか」というクレームがついた。

協議した審判団はビデオ判定することにして、だいぶ長い間見ていた。結局ファオルを認め1死1塁で試合再開。光南ナインは気持ちの整理がつかず、逆に創志学園は息を吹き返し勢いづいて連打し逆転した。

私はこの試合をテレビで見ていたが、9回のピッチャーゴロは自打球かどうか微妙なところだった。それよりもいったん審判がピッチャーゴロと判定し、試合も終了させているのに判定を覆し試合を再開するような光景は、(野球が好きで長い年月野球を見てきているが)今まで見たことがなかった。まさに前代未聞の光景だった。玉野光南高校ナインの心情を考えると後味の悪さが残る試合だった。

「野球はドラマだ、人生だ」まさにこれを地でいくような試合だった。野球は最後まで何が起きるかわからない。