先日、父親が亡くなり葬儀をした。還暦を過ぎたこの年になるまで親、兄弟の葬儀は初めてだった。父親が高齢だったのと通夜・葬儀でばたばたし気が張っていたせいか特別な感慨も沸いてこなかったが、四十九日を過ぎると又違った感情が沸いて来るのかもしれない。

父親は五歳の時に自分の母親を亡くし、母親の愛情を知らずに育った人だった。戦争の影響をもろに受けた年代で、戦後は貧しい生活のなかで家族のためになりふり構わず懸命に働いてくれた。恩返しらしいことは何もできなかった。生前中お世話になった人々や、葬儀に際し丁重なご弔意をいただいた人に対し心からお礼をいいたい。「本当に今までありがとうございました。」