私は歴史が好きで興味と関心を持っている。井原市では雪舟の終焉地との話がある重玄寺、大逆事件の冤罪で絞首刑になった森近運平などがいるが、特に森近運平の話は、この地ではほとんど出ない。なぜだろう?避けているのか、それとも知らないのか、よくわからない。

森近運平が処刑されて100年少し経つが、義父の母親は、森近運平の生家に近い地区の生まれで、「小さい頃、二頭立て、数台の檻車で森近運平を引き連れて行く光景を見た。」と義父に話していたという。歴史は過去から現在へとつながっている。

森近は農業の革新に情熱を燃やし、当時としては珍しい、果物の温室栽培を手掛けていたという。その最中に捕らわれた。岡山の農業が100年遅れたといわれる。完全、完璧な冤罪であり、「真実は後世の歴史家が暴いてくれる。」といって死んだ。